今回は「強いビジネスと弱いビジネスの違い」というテーマでお話ししていきます。
あなたは、ご自身が営まれているビジネスが強いか弱いか、真剣に考えたことがあるでしょうか。
今までやってきたビジネスが軌道に乗ったからといって、惰性で何も考えずにそのままビジネスを続けてはいませんか?
もしそうならば、一度立ち止まってよく考えてみてください。
Contents
強いビジネスと弱いビジネスの違い
結論から言いますと、
強いビジネスと弱いビジネスの違いは、「価格決定権が自分にあるかどうか」です。
祈るような気持ちで値上げをしているのであれば、それは弱いビジネスをしているということになります。
強いビジネスをしていれば、強気で値上げをすることができます。
ジュースの「コーラ」を例に出して考えてみましょう。
あなたはクリスマスパーティーでみんなで飲むコーラを買いにスーパーに行ったとします。
・コカコーラ(214円 / 2リットル)
・よくわからないメーカー(178円 / 2リットル)
あなたは上記2つの中でどちらを購入したいと思いますか?
多くの人は、値段が高くてもコカコーラを選ぶはずです。
よくわからないメーカーのコーラを売るような、選ばれないビジネスをしていませんか?
私たちはコカコーラを売るような、強いビジネスをしなければいけないのです。
では、どうやったらコカコーラのような強いビジネスにすることができるのか。
それは、自社製品やサービスを「性能の良さ」+「ブランドの世界観の確立」この2つが大切なのです。
弱いビジネスの特徴
弱いビジネスの特徴は「製品やサービスの性能の良さだけで売り込む」特徴があります。
この弱いビジネスをしてしまいがちなのが、典型的な日本の家電製品メーカーです。
今や世界の家電市場は、台湾、中国、韓国などの安く家電を作れる新興メーカーにシェアを奪われてしまっています。
かつては世界の覇者として君臨した日本の電化製品メーカー「パナソニック」「シャープ」「TOSHIBA」「HITACHI」はもはや見る影もありません。
家電量販店に行って家電を見渡すとよくわかりますが、新興メーカーの家電の価格に対して、日本メーカーの家電は明らかに割高に感じます。
製品を売り出すポップを見ても、日本メーカーの製品は「4Kで画質がいい!」「〇〇搭載で最新!」「日本製!」と、他社製品よりも性能がいい部分だけを推して販売しています。
ですが、今や新興メーカーの家電はそれなりに性能がいいですし、壊れませんし、価格も圧倒的に安いです。
家電がコモディティー化した現在では、家電にコストパフォーマンスを求めるユーザーが多いのに、日本メーカーはそれらを完全に無視して、ただオーバースペックで値段が高いだけの製品を売ってしまっているというわけです。
これでは家電市場で日本メーカーのシェアが奪われるのは当然としか思えません。
強いビジネスの特徴
では一方で、強いビジネスとはどんなビジネスなのか。
家電メーカーで例えると、dyson、apple、アラジンのようなメーカーです。
これらのメーカー共通するのは、ユーザーはブランドを名指しで買いに行くということ。
「掃除機どれにしようかな〜。性能がいいからこれにしよう。 あ、HITACHIの掃除機なのかこれ。」ではなく、最初から「dysonの掃除機が欲しい!」とブランド名指しでユーザーに思わせる力があることです。
「高い性能」だけでなく、製品一つ一つの細かなディテールまで世界観を統一させてこだわっているからこそ「ブランドの世界観」が確立しているわけです。
これらのメーカーは、掃除機がたくさん並んでいる家電量販店でも一際目立ちますし、製品を見ると一発で「dysonっぽい世界観」「appleっぽい世界観」「アラジンっぽい世界観」がありますよね。
同じメーカーで家電全てを揃えたくなる感情が湧くのも、世界観を重視しているこれらのメーカーの特徴です。
世界観が確立しているからこそ、新興メーカーの安物とは比較されないため製品の値段が高くても売れていくのです。
事実として、アラジンの電子レンジは、23,000円という高価格帯であるにも関わらず、販売開始数年で370万台の販売を記録しています。
日本メーカーは確かに性能はいいですが、性能だけで世界観がありません。
どの製品を見ても同じようなデザインをしていますし、メーカーの世界観も統一されていません。
上昇トレンドを追いかけるように製品のデザインをコロコロ変えて目先の数を売ることだけを考えてしまう。
だからこそ、日本メーカーには世界観がなく、価格競争に巻き込まれてしまうというわけです。
まとめ
価格の安さ、性能の良さだけで売り出したりしていませんか?
目先の利益は得られるかもしれませんが、それを続けていてはいつまで経っても値上げのたびにお祈りをするような弱いビジネスのままです。
さらに安い値段で販売するライバルが現れたら、あっという間にシェアを奪われる砂上の楼閣です。
値段が高くても買われ続けるような「幹の太いビジネス」にするためには、価格の安さや性能の良さ以外の「何か」を作り上げてください。
それは本記事で紹介をした「ブランドの世界観」でもいいですし、他社に圧倒的な差をつけるほどの技術力でもいいです。
くれぐれも、価格の安さや性能の良さだけで売り続けないように注意してくださいね。